人々の健康と安全を支えるのが保険会社の仕事です。お客様の人生に寄り添うことができる保険会社は、学生にとって魅力的な業界の一つです。
今回はそんな保険業界について見ていきましょう!
保険業界とは?
保険会社は主に「生命保険会社」と「損害保険会社」にわかれており、保険会社は『利差益』『費差益』『死差益』の3利源から利益を得ています。
利差益:予定利率に基づいて予定していた運用利益と実際の運用利益の差
費差益:予定事業費率によって予想した事業費と実際の事業費の差額
死差益:予定死亡率に基づいて見込んだ支払額と実際の支払額の差
生命保険業界とは?
生命保険とは人が関わる保障のことであり、 将来のリスクに備えた保険を販売する仕事です。
具体的には終身保険、定期保険、年金保険、学資保険などを取り扱います。また生命保険は、万が一の備えという役割だけでなく、将来への貯蓄としての役割も果たします。
損害保険業界とは?
損害保険とは自動車保険や火災保険など、モノや財産の損害を保障する保険です。意図的に発生した損害はもちろん対象外となります。特徴として、実損額だけ保障する実損払いが基本的です。
生命保険業界の動向
「標準生命表」の改定による保険料見直し
2018年4月に男女別で各年齢の死亡率をまとめた「標準生命表」の改定が11年ぶりに 行なわれ、平均寿命が伸びたため、生命保険業界では各社、死亡率保険料を値下げしました。
今後、少子高齢化や人口減少が進むことで、保険金の支払いが増加する一方、契約者は減少するという厳しい状況が予想されます。
損害保険業界の動向
損害保険会社の現状
2021年から22年の損害保険業界は、国内の自然災害や海外事業の減少、各種保険の値上げ効果、円安によって業績を大きく伸ばしました。
保険料収入では、コロナ前の2019年の水準を大きく上回っています。
大手各社の海外進出
損害保険業界では、少子高齢化や人口減少によって国内市場が縮小しており、これは業界の大きな問題です。
この問題を打破するために、大手各社は事業の海外展開を進めています。特に業界大手の東京海上HDは、いちはやく海外へ進出しており、その影響力を拡大し続けています。
保険業界の四季報売上ランキング
生命保険業界の企業ランキング
1位 日本生命保険
保険料等収入→4兆3,079億円(↑)
基礎利益→7,966億円(↑)
2位 明治安田生命保険
保険料等収入→2兆4,435億円(↑)
基礎収入→6,019億円(↑)
損害保険業界の四季報売上ランキング
1位 東京会海上ホールディングス
正味収入保険料→3兆8,878億円(↑)
純利益→→4,204億円(↑)
2位 SONPOホールディングス
正味収入保険料→3兆2,157億円(↑)
純利益→2,248億円(↑)
生命保険業界の職種
リテール部門
生命保険ビジネスの主軸となる分野で、金融業界では「個人や小口取引を中心とする事業分野」のことをリテールと呼びます。
ここでは販売戦略や企画立案、商品開発、営業職員の教育などを行っています。
ホールセール部門
「法人や大口取引を中心とする事業分野」のことを指します。法人向けにサービスを展開するため、法律や経営戦略などの知識も必要です。
具体的には、団体保険や企業年金保険などを取り扱ったり、企業の従業員に対する福利厚生制度などをサポートします。
資産運用部門
資産運用部門では、お客様から預かった保険料や3利源などの利益を有価証券や不動産、公社債へ投融資する部門です。
海外事業部門
少子高齢化に伴う国内市場の縮小に伴い、保険会社の海外進出が勢いを増しており、そこで海外市場を開拓していくのがこの部門です。
損害保険業界の職種
営業部門
ここでは三つの部門にわかれます。
コマーシャル営業部門
大企業を対象に、パートナーとしてコンサルティングを行います。
パーソナル営業部門
地域の企業や個人に対して代理店を通してマネジメントをします。
ディーラー営業部門
自動車メーカーやカーディーラーを顧客とし、自動車企業向けの保険を提案したり、顧客へのビジネスモデルの構築などを行います。
損害サービス部門
損害サービス部門では、実際に起きた事故やトラブルのアフターケアを行っており、自動車事故を担当する自動車損害部門と、自動車事故以外の全ての事故を担当する火災新種損害部門にわかれています。