自動車の製造をサポートしている自動車部品業界。売上の安定性や高収入なイメージから、実は学生に人気がある業界です。今回はそんな自動車業界について見ていきましょう!
自動車部品業界とは?
自動車部品業界では「自動車部品メーカー」と「素材・材料メーカー」に分かれており、自動車完成に必要な部品を上記の自動車(完成車)メーカーに販売する、BtoB企業となります。
自動車部品メーカー
ここでは自動車(完成)メーカーと直接やりとりをしながら部品の開発、製造を担い、新車種の開発に向けた部品の提案なども行います。
自動車(完成)メーカーの傘下に属する企業や独立している企業もありますが、なかでもトヨタ系の系列企業が売上を伸ばしています。
例)デンソー アイシン精機 豊田自動精機など
素材・材料メーカー
素材・材料メーカーは、自動車部品メーカーに部品を売っています。一見、自動車から遠い業界であるようにみえますが、近年の電気自動車ブームなどにより、特に電子部品メーカーは需要が高まっています。
また直接的には自動車部品業界ではありませんが、パーツの鉄鋼品を仲介する「総合商社鉄鋼部門」「鉄鋼系専門商社」なども自動車部品メーカーに関連しています。
自動車部品業界の動向
3年ぶりの自動車部品生産額増加も材料高が足かせに
2021年はコロナ禍からの業績回復がみられた年で、自動車部品の生産額は3年ぶりに増加を記録しました。
一方で、資源費や物流費の高騰、急激な円安などが収益を下げる要因となりました。この業界は世界各国からの輸出入が多いので、世界経済の影響を受けやすいと言えます。
慢性的な人手不足
日本の少子高齢化や生産労働人口の減少に伴い、今後自動車部品業界でも人手不足が深刻化していくと考えられます。
この問題に対して現在、ロボットの導入や他の業務の自動化などの新たな手法が解決策として挙げられ、これらは人手不足解消の他に、24時間体制での量産や高品質の向上、コスト削減や生産性向上なども見込まれます。
自動車部品業界の四季報売上ランキング
1位 デンソー
売上高→5兆5,155億円(↑)
営業利益→3,411億円(↑)
2位 アイシン
売上高→3兆9,174億円(↑)
営業利益→1,820億円(↑)
自動車部品業界の職種
調達
自動車の部品を製造する際に用いる部品や材料を仕入れてくるのが調達の仕事です。高品質なモノを安く仕入れることが求められ、製品の品質や価格に直結するため、モノづくりに関わっているという実感が湧きやすい職種です。
品質管理
人の命を乗せて走る自動車に絶対的に求められるのが品質です。それを管理するのが品質管理の仕事で、安全な部品を提供する上で、必要不可欠な部署と言えます。
自動車業界に向いている人
ここまで全2回に渡って自動車業界について見てきましたが、どのような人がこの業界に向いているのかまとめました。ぜひ今後の選考や自己分析の参考に!
車が好きな人
自動車業界では、行う業務はそれぞれ異なるものの根本には「車」があるため、どの部署でもいかによい車作りをするかを追求することが必要です。
そのため車に対して興味が持てるかが大きなポイントとなります。単に車が好きなだけでなく、車とビジネスを結び付けて考えられる人が自動車業界に向いているといえるでしょう。
グローバルに活躍できる人
特に自動車メーカーでは、ほとんどの企業が国内のみならず海外市場もターゲットとしています。
そのため、国籍・文化・価値観・思想などが異なる相手とも円滑にコミュニケーションができる人、柔軟に対応できる人が向いています。
同時に語学力も必要となるので、語学に長けている人も需要があります。
幅広い業務に対応できる人
自動車業界はジョブローテーションを採用している会社が多く、部署の入れ替わりも激しいため、様々な仕事に適応できる人の方が向いているといえます。